メインフレーム
エンジン出力を受け止め、それを旋回性能に置き換える。その為、クロモリパイプ断面は従来の「正円形状」から、ビモータ独自の新設計「薄肉、長円形状 50mm x 30mm x 1.5mm」へと刷新され、フレーム強度、捩じれ剛性を飛躍的に高めつつも、しなやかさを失わない高次元の特性を手に入れました。熟練した職人によるTIG溶接技術を駆使した手造りのトレリスパイプワークは、モーターサイクルレースの頂点であるMOTO-GPマシンとまったく同じ製法です。ジュラルミン削り出しエンジンマウンティングプレートは最新のテクノロジーとビモータ独自の斬新でユニークな設計思想によって生まれたスイングアームのピヴォットサポート部を切り離した新設計です。エンジン自体をフレ―ムとして積極的に活用する事で、スイングアームピヴォット部にかかるストレスからメインフレームを解放。さらなるしなやかさと、既存モデル比 2.3Kgもの軽量化を実現させています。
このフレームは、数ある世界の最新デザインとされる物達とは一線を画す、機能と美しさを兼ね備えたものであり、まさにビモータの歴史・伝統・技術そのものと言えます。
スイングアーム
スイングアームについてもフレームと同様のクロモリ長円断面パイプを用い、アクスルホルダー部やチェーンアジャスターまでもジュラルミン削り出しパーツで構成するDB5,DB6 Delirioから引き継ぐコンポジットタイプとしています。
エンジンクランクケースにマウントしフレームによる受けを持たないスイングアーム。スイングアームを挟むように、ピヴォットシャフト外側に取付けられたステップサポートを兼ねるマウンティングプレートからつながるプログレッシブリンクなどすべての機能がスイングアームセクションの中で完結するレイアウトになっています。
アクスルプレートから立ち上がり、リアバンクのエキゾーストパイプを避けるように伸び上がる長円パイプはリアサスペンションを支持するもので、マウント部にはエキセントリック式の車高調節機能を有する、他に類を見ないものです。このリアサスペンションシステム抱えたスイングアームはDB7独特の新しいハンドリングを生み出した重要な部分であり、またオートバイの魅力である「魅せる機能部品」として美しさと高性能を兼ね備えたものです。
ステアリングヘッド部から伸び出る力強い2本の長円パイプ、それを強靭なジョイント部で受け止める精緻な削り出しのエンジンマウンティングプレート、そして独特なサスペンションレイアウトを納めたスイングアームのライン、そのエンド部を力強く締めくくる削り出しのリアアクスルホルダーとチェーンアジャスターへのつながり。乗り出す前から期待させるフレームデザインは、クリーンで美しく、力強いストレートラインとして、伝統の製法と斬新なアイデアが生んだビモータらしさが溢れ出たものとなっています。